それぞれの過程の抱える事情と、異端児を排除しようとする風潮

「A・Iさんはどう思います?K・Yのコト」
「いいんじゃない?ああいうヤツのひとりや2人ぐらい、居ても」
 私は背中越しにS・Kに返答した。
「お前は昔から心が広すぎるぞ、A・I。ああいう奴は絶対に学校とかでもハブられるんだよ」
 N・Tの言うことにも一理あるが、K・Yの場合は家庭にも問題があるような気がした。親に意見することも許されずにただ押し潰されて生きてきたに違いない。私はK・Yとのファーストコンタクトでは激しい自己矛盾と葛藤に苛まれているような印象を受けた。それも、あくまで第一印象に過ぎなかったが。
「まあ、お前は精々K・Yと仲良くやってくれ。俺はあそこまで根暗なヤツは無理だ」
「そうっスね。悪い奴じゃないのは分かるんスけど、俺もアイツは苦手意識高いっす」
 中央線のホームへ向かう連絡通路を歩いている途中、私はいったん足を止めてマイペースに先を行くM・Tをよそに、N・TとS・Kの方に向き直った。
「何だよ。急に止まりやがって」
 N・Tが身構えた。
「道場は学校とは違うみたいだし、嫌いなら嫌い、苦手なら苦手でいいとは思うけど、仲間外れみたいなことだけは止めるべきだと私は思う」
 N・TとS・Kはお互い顔を見合わせて私の発言に唖然としていた。ミュゼ カウンセリング